武澤 秀一
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面白かった。単純によい本で、
法隆寺への観光にも役立つだろう。どういうことがかかれているか。主題となっているのはやはり中門の柱で、これが梅原氏の太子怨霊説の根拠にもなった。著者はこの源流をインドの風習にもとめ、また先行する寺からの様式的な比較によって、当時の
法隆寺の建築設計において何が意図されていたか、という視点から解釈する。その結論は決定的に説得的とはいえないかもしれないが、それでもその過程が面白いし、著者がいうように
法隆寺を見てみたい、と思われられるに十分だった。また伽藍配置についても詳しい歴史的説明がかかれているなど、お寺全体に対する知識を深めるのにもいいかもしれない。