森田療法について

森田療法について読んだ本何冊かをまとめた。参考にしていただければうれしい。こういった本の場合、買う前に実際に手にとって立ち読みしたほうがいい。

森田療法のすすめ」高良 武久
本当は最初に読むべきだった。多くの書の読書案内に紹介されている。事例、森田理論から見た神経症の構造、治療法が書かれている。著者が入門向けに書いた、とあるし、その通り分かり易い。事例をみていると、やはり患者においてはどこか理屈ぽい、神経質なところがある。症状の苦しみを長引かせるのは、その解決を道徳への依拠、自己の潔癖に向かうからでもあるだろう。つまり悪循環過程だ。排除は回帰とセットになっている。ここでいう回帰とは、つまり症状だ。この機制自体が問題であり、それは漠とした状態においては意識されない。

森田療法のすすめ―ノイローゼ克服法
高良 武久
白揚社
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森田療法」岩井 寛
著者は森田療法家であって、その実践が書かれている。それが並大抵ではない。殆ど宗教的な行にすら思えてきて、単なる療法ではなく、行為の道徳規範足りうる射程を森田療法のプログラムが持つことに気付かされる。病者と健常者の区別は程度問題である以上、実践は徹底的なものとなるのだろうか。実践には評価が届かない部分がある。それも程度によるけれども、岩井氏の行為はまさに言語を絶している。

森田療法 (講談社現代新書)
岩井 寛
講談社
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森田療法 (心理療法プリマーズ)」北西 憲二/中村 敬
森田療法についての論文と事例がまとめられている。高いし入門向けではない。これは図書館で借りて読んだ。しかし森田の時代から変化した社会において、やはり変化した治療的実践の跡と、今後に向けての展望をみることができる。

森田療法 (心理療法プリマーズ)
北西 憲二 中村 敬
ミネルヴァ書房
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また森田療法の主な領域は神経症、森田神経症と呼ばれるタイプだけども、神経症なら認知行動療法の治療がすぐれるだろう。読んだ中から、「強迫性障害を自宅で治そう」を挙げておく。これでなくても、ある程度定評ある本を一冊読むだけで、強迫性障害の場合は、楽になるのではないかとおもわれる。