心理学

暴力:スラヴォイ・ジジェク

本書を読むうちに、何か居心地の悪さのようなものを感じていた。本書で扱われる暴力には、大まかに言って三種類、一つはわれわれが「真っ先に思い浮かべる」ものである「主観的暴力」(犯罪、テロ、市民による暴動、国家観の紛争、など)、続いて主観的暴力…

ラディカル構成主義:エルンスト・フォン・グレーザーズフェルド

本書でグレーザーズフェルドはピアジェ認識論の読解を通じて、自らの認識論的立場、ラディカル構成主義の理論を説明している。二章終わりに、ラディカル構成主義の原理が提示されている。 ・知識は感覚やコミュニケーションを経由して受動的に受け取られるも…

恥 社会関係の精神分析:セルジュ・ティスロン

1 本書では「恥」の概念を分析し、それに伴う様々な心的機制を提示した後、分析治療の指針が示される。本記事では恥の概念について見ていくことにする。恥は分析医が取り組むべき情動である。それは警報と症状、つまり薬と毒の両方を持つからだ。 2 罪責感と…

魂の殺害 虐待された子どもの心理学:レオナード・シェンゴールド

魂の殺害 虐待された子どもの心理学posted with amazlet at 10.08.12レオナード シェンゴールド 青土社 売り上げランキング: 609342Amazon.co.jp で詳細を見る確かに衝撃的なタイトルだと思う。この概念はまず説明される必要があるだろう。 演劇用語としての…

欲望について:ウィリアム・B. アーヴァイン

欲望についてposted with amazlet at 10.06.20ウィリアム・B. アーヴァイン 白揚社 売り上げランキング: 272879Amazon.co.jp で詳細を見るもちろん、私たちはみな欲望をもっている。まず注意しておいてほしいのが、本書において欲望はもっとも広い意味で使わ…

森田療法について

森田療法について読んだ本何冊かをまとめた。参考にしていただければうれしい。こういった本の場合、買う前に実際に手にとって立ち読みしたほうがいい。「森田療法のすすめ」高良 武久 本当は最初に読むべきだった。多くの書の読書案内に紹介されている。事…

「スキナーの心理学」ウィリアム・T. オドノヒュー, カイル・E. ファーガソン

スキナーの心理学―応用行動分析学(ABA)の誕生posted with amazlet at 10.04.10ウィリアム・T. オドノヒュー カイル・E. ファーガソン 二瓶社 売り上げランキング: 170057Amazon.co.jp で詳細を見る更新途絶えていてすみませんでした。これからはがんばってい…