現代言語論

現代言語論―ソシュール フロイト ウィトゲンシュタイン (ワードマップ)
立川 健二 山田 広昭
新曜社
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おすすめ度の平均: 4.0
3 現代言語学の輪郭
5 教科書
言語論の入門書なのだけども、まず編集がいい。立川氏の視点が面白く、恐らく、発話ごとに言語の地平を生む事を賭ける、ということを言っているようです。ところで共時的に言語を見出すことも、言語の社会的な基盤に依存していれば、ソシュールが通時態に追放したらしい言語の動的生成は共時態を切断面としてそれこそ発話ごとに無数に生みうるように思えた。
それはともかくこの本のよい所は思想家を取り上げるときに完結させていないことで、書かれた当時に再評価されつつある動きを書いていて、要するに開かれている。それでいて読者が開けと閉じを区別しうる程の情報は少ないページ(4〜8程)に凝縮されているので、入門の役割も果たせるのも有難かった。